間違いだらけのコーズ・マーケティング

コーズ・マーケティングによって、売り上げと社会貢献を同時に実現する。

すっかりおなじみの言葉になりましたが、その分「誤解」も多いようです。
わたしたちのところに持ち込まれる相談もピントが外れたものも増えてきました。正直に言って。

コーズ・マーケティングの用語説明でしばしば(寄付金つき商品販売手法)と言われます。

たしかに、コーズ・マーケティングという名を有名にした、

「アメックスの自由の女神像修復キャンペーン」
「王子ネピアの千のトイレプロジェクト」
「ボルヴィックの1リットル/10リットルキャンペーン」

これらのプロジェクトは、それぞれ売り上げの一部を寄付するモデルです。

だからと言って、「売り上げや収益の一部をどこぞのNPOや復興事業に寄付します」が必ずしも「コーズ・マーケティング」と言うわけではない。
「逆は必ずしも真ならず」のたとえではないですが、そのあたり広告代理店の担当者や、ソーシャルビジネスの専門家ですら誤解している人が多いのです。

間違った「コーズ・マーケティング・キャンペーン」の例では、

1.ピンクリボン(乳癌検診運動)賛助商品で、発がん性物質が含まれた食品があり非難を浴びた事例
2.「Twitterリツイートで東日本大震災への寄付を行います」というキャンペーンが、悲劇を商売に移用していると非難を浴びた事例

等があります。

コーズ・マーケティングは効果が高い分、間違った使い方をすると、逆に非難を浴びる、最悪の場合「炎上する」というリスクがあります。

その対策のために専門家から指摘されていることというと、
1.商品ターゲットとコーズ・マーケティングのコーズ(大義)が一致しているか。
2.(寄付プログラムの場合)キャンペーン結果の透明性
が挙げられています。

何よりも大切なことは、コーズ・マーケティングを単なる広告キャンペーンではなく、企業理念(ミッション)の浸透手段として活用すべきこと、なのです。

コーズ・マーケティングが消費者から支持される理由は、別に単に「寄付をしたいから」ではありません。
寄付をしたければ、NPO、赤十字、街角の募金箱いくらでも手段があります。
わざわざ商品を買ってまで寄付するのは、面倒なのです。

企業担当者は、「うちの商品を買うついでに寄付もできるのだから、消費者は一石二鳥と考えてくれるだろう」と思いがちですが、これは自分(企業)側の論理で、消費者の立場に立っていないことに気が付かない。これはこのことに限らず企業側がよくやる間違いです。

商品を広めるのではなく、企業理念、ミッションを消費者に広める手段として、コーズマーケティングを活用する。
個々のマーケティング手段というより「ブランディング」と考えたほうがしっくりくるかもしれません。

このように考え実践すると、コーズ・マーケティングはものすごい効果を発揮します。
商品が売れるようになるだけでなく、会社のブランド価値が上がる、企業理念への共感者が増加しファンが増える。

そうなると、不毛な価格競争や目先のマーケティングに拘らず、収益向上、益々の企業価値の向上に繋げることができる。

企業理念(ミッション)の重要性は、拙著「熱狂顧客のつくり方」に詳しく書きましたが、企業理念をどう消費者や社会に伝えていくか、企業価値向上のためには何より重要なことです。

実は、このことに多くの企業人はまだまだ気が付いていません。

私のような仕事をしている者にとっては、残念なことですが、逆に言えば、他の企業や商品にはない差別化ができるチャンスであるともいえます。
 
最後に繰り返しになりますが、コーズ・マーケティングの成功の秘訣は、企業のミッション(企業理念)をとことん考え抜き、その実行のためにこの手法を利用する。
そうすると、他の企業にはまねできない効果を発揮することができる。

弊社とパートナーが実践している事例や具体的なやり方は、このページでまた発表していきたいと思います。

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