パニック直前のコロナショック

昨日(2月28日)コロナウィルス流行に対する対策として、日本政府(安倍政権)から、大規模イベントの自粛要請に続いて、全国の小中高等学校に、一斉休校の要請が出されました。
イベント自粛の要請は「仕方がない」という雰囲気がありましたが、小中高等学校の自粛要請に関しては、特に小学校の子供を持つ親御さんを中心に、「働きに出ることができなくなる」という声が上がり、識者からも様々な批判が寄せられています。

安倍政権からは、コロナウィルスのインフルエンザが本格流行してオリンピックが中止になるのをなんとしても避けたいという気持ちが前のめりになっているのを感じます。
安倍総理がそれまでの自民党の規約を改定してまで長期政権を続けているのも「東京オリンピックを自らの手で迎えたい」「そうしてあげたい」という自民党の空気感があるので、中止になるとその「大義名分」を失ってしまう。
森元総理の「オリンピック中止はまったく検討していない」「マスクをしないで頑張る」という(相変わらずの)発言も、その気持ちが「素直に」出てきたのでしょう。

臨時休校「日本の対応急変」五輪控え「政治的計算」の見方も―NYタイムズ(時事通信社)

いずれにせよ、1~2カ月前には全くと言っていいほど考えられない状況に国民の戸惑いも大きい。「28度くらいの白湯を飲めば効く」という冷静に考えればすぐ間違いとわかるような情報がチェーンメール化したり、コロナウィルスとはほとんど繋がりのないトイレットペーパーが買い占められて品薄化したりとパニックに近い状況もここ数日で急速に見られるようになってきました。

トイレットペーパー等の買い占め騒動は、1973年のオイルショック(これも石油と紙はまったく関係ないのに起こった)や2011年の東日本大震災(この時は地震や東北とは関係ない品も買い占めで東京のコンビニやスーパーの棚がしばらく空っぽだったのを覚えている方も多いでしょう)の時にも起きましたが、いずれも「時代の転換点」になった年。

それもどちらかといえばよくない意味であり、オイルショックは高度成長の終焉であり、2011年も日本の社会構造の限界が露呈した現象でもありました。
その前年に中国にGDPで追い越されて以来、日本は2010年代の世界経済成長にただ一国取り残され、今では中国の三分の一の規模。一人当たりの所得も欧米先進国の半分という中進国レベルに落ちています。

そして2020年。東京オリンピックという打ち上げ花火はあります(それもどうなるかわかりませんが)が、これからの10年、あるいは干支の12年の始まりで時代の大きな転換期にあることは間違いありません。
1990年のバブル崩壊、2000年のネットバブルとその崩壊、そして2011年の311と10年おきに時代の転換という事象も置き続けているからです。

そういう中の今回の「コロナショック」。
単なる病気流行にとどまらず、大きな時代の分岐点にあることは、多くの人も感じているのではないでしょうか。

因果ループ図で描かれる日本の分岐点

そのトリガーが、コロナウィルスの「流行」であり、特にここ1週間の政府の政策「イベント自粛・一斉休校要請」にあるような気がしてなりません。
そのことは、ここ数日の株式市場の暴落にも表れている気がします。

これから、日本はどうなるのか?
今回の「コロナショック」特に政府の「イベント自粛、一斉休校要請」が社会にどのようなインパクトを与えるか、因果ループ図を描いてみました。

このループ図で描かれたのは、政府の要請が「日本経済が奈落に落ちる」につながるシナリオでした。
自粛によるイベントのキャンセル等が経済の停滞を呼ぶ。これが株式市場を暴落させているシナリオだろうと思います。

Facebookなどでは、テレワークやオンラインの活用を促す声も大きく、「これを奇禍としてピンチもチャンスに変えよう」という投稿も多いです。

因果ループでも、テレワークの活用がキーになっています。

ただ、今の体制のままで単にテレワークに切り替えたり、オンラインを活用しても、社員の分断による能率低下、特に管理職の混乱(テレワークやオンラインでどう部下やチームを管理すればよいかわからない)が起きて、「業務の停滞」が起きそうです。
「オンラインの部下を管理しなければ」という気持ちが強すぎて、意味のない縛りをしたりして、手間の増大や能率の低下に拍車をかけているという声も実際に聞きます。

今は、強制的に社員が「分散」させられているのだからここは変に逆らうのではなく、「自律分散型」に移行して「自己組織化」つまり「創発」に対応する組織になる。そうであれば創発からイノベーションへとつながる道(緑の矢印で描いた方向)も可能だと思います。今の危機を奇禍として、会社が変わる、日本が変わる契機になるかもしれません。

東京集中や規模を追うビジネスが、少数でも熱狂的な顧客に支えられたり、地方での個性を生かしたビジネスへの変換から、新たなイノベーションも生まれる。

そうなるかどうかは、因果ループ図で「テレワーク」から伸びている2本の矢印、青の(今の体制のまま)「社員の分断」のほうに行くか、あるいは緑(変革)の「自己組織化組織対応」ができるか。

「変革しますか?もっと衰退していきますか?」

私たちはまさに今がその分岐点に立っている気がします。
決めるのは政府でも行政でも企業トップでもない。私たちです。